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2023年10月の日本経済新聞朝刊一面記事まとめ

今月の一面も日曜日5回のすべてが「チャートは語る」を取り上げました。

以前にも書いたとおり私の仮説によれば、こういう月は(経済に関する)大きな事件などが少なく、比較的平穏無事な傾向にあると考ますが、やや異色だった一面記事として興味を引いたのは12日の「藤井 八冠独占」というタイトルで、将棋の藤井聡太さんが将棋界のタイトルすべてを同時制覇する史上初の偉業を取り上げています。

大きなニュースには違いありませんが、なぜこの話題が日経新聞の一面にわざわざ取り上げられたかという理由については、その記事の隣に載せてある「沈む日本に『Zの衝撃』」と題したコメントから読み取ることができます。

その中で、幼少期からパソコンやスマホが身近にある環境で育ったいわゆるZ世代の一部が、これらの機器を活用しその隠れた才能を発揮することで「沈む日本と沈む日本人」を異様なまでに刺激していると分析しています。

また、一面の本文中にも将棋AIを早くから研究に取り入れたことに触れており、日本人のイノベーション精神が再び隆盛へと向かう期待のようなものを感じさせる内容を通じて、失われた30年を取り戻す一つのきっかけに繋がるのではないかという意図で、新聞社は明るい話題を一面に置いたのではないかと想像できます。

 

個別のカテゴリも大きな偏りもなく「個別企業」に関するものが最多の4回でした。

5日の「ドコモ、証券業に参入」に始まり、16日には「京セラ、タイで1000億円」に続いて住友不動産やスズキがインドへの進出を深めるなど比較的明るい内容の記事が中心となっています。月の後半では、月末に開かれる日銀の政策決定会合を意識したのか「金利・為替」に関する内容が3件ほど集中しました。

 

明るくない話題の代表が11日の「中東、和平路線に限界」と題したものでしょう。

ロシアのウクライナ侵攻に比べれば、経済そのものに与えるインパクトは小さいかもしれませんが、石油エネルギーに影響を与えかねない点を考慮に入れると、今後の動向は決して楽観できるものではないと考えられます。

また、先月27日の8面記事に続いて、今月25日の記事でも日銀の物価3指標(加重中央値・刈り込み平均値・最頻値)に関して同じような解説と分析を伝える内容が載りました。

それによると3つの指標がそろって2%以上になったことに関連し、賃金上昇の動向次第では日銀が物価との好循環につながったと判断すれば日銀の政策修正を通じて長期金利の上限をさらに引き上げるのではないかという点に注目が集まるとして伝えています。

 

**一面の集計は埼玉県内の配達(基本的に13版)記事を対象にしております。

文責:三星剛

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