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2024年3月の日本経済新聞朝刊一面記事まとめ

今月の一面は、次の3つのカテゴリがそれぞれ3回ずつの最多を数えました「株・金融」「雇用・労働」そして「日銀」です。

なかでも日銀を巡るニュースのうち20日の一面は、2月23日に日経平均株価が史上最高値を更新した「日経平均 最高値」に続く大きな見出しで報道されました。大きなインパクトを与える一面の構成が短期間に続いたことは珍しいと言えるでしょう。

また、今月は毎週土曜日に「データで読む地域再生」翌日は「チャートは語る」のサイクルがほぼ毎週繰り返され、そのサイクルが崩れたのも16日(土)の「マイナス金利解除へ」という日銀の政策決定会合を巡る内容でした。

我が国経済はデフレを基調とした「低成長・低金利・低賃金」の状況に長い間悩まされてきましたが、資源高に伴う物価上昇や円安という外的要因の影響によって、徐々に潮目が変わりつつあります。

しかしながら、「急速に進む人口減少」や「巨額の財政赤字」といった宿題は解決の道が見えないままでありながら、こうした外部環境の変化が私たちのくらしや経済にどの程度どのような変化を与えることになるのか。日々のニュースに細かく目配りする必要性がますます高まっていることは間違いないでしょう。

 

1日の5面では内閣府が公表した長期経済試算を解説していました。この手の試算は通常「楽観的シナリオ」や「悲観的シナリオ」というスタイルで披露されることが一般的で、前者によると25~60年度の実質成長率平均1.7%を達成するための要素として、65~69歳の労働参加率が78%(現状53%)に、出生率は1.8(22年は1.26)に、そして全要素生産性(TFP)の伸びは1.4%(直近では0.8%)まで達成する必要があるとしています。

これらの視点は、一国の国際競争力などのマクロ的な視点から検討されるべき問題であり、経済成長率そのものが、平生のくらしに直接影響を与える実感には乏しいかもしれませんが、グローバリズム社会における軍事力や発言力など、国際間の競争に埋もれたいためにも欠かせない宿題となっている現状が存在します。

 

その一方で、4日の3面には「「あえて非正規」若者で拡大」という見出しで、25~34歳のうち都合の良い時間に働きたいというニーズから非正規になった人が増えている現状を伝えています。とりわけ、企業経営においては「人手不足」と「持続的な賃上げ」が現実的な問題として顕在化してきたなかで、こうした傾向は「仕事への価値観が変化している」との指摘もあり、これも身近な潮目の変化として頭に入れておく必要があるかもしれません。

 

**一面の集計は埼玉県内の配達(基本的に13版)記事を対象にしております。

文責:三星剛

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