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2023年5月の日本経済新聞朝刊一面記事まとめ

今月、一番多く一面を飾ったカテゴリは「政策・政治」でした。

ご存じのとおり広島サミットが開催されたことや、その前に行われた岸田首相への単独インタビュー(11日)では、生成AI活用のあり方について道筋をつけるとした内容に加えて26日にも日経国際フォーラムでの演説内容などが報じられました。

そのほかに注目を集めたカテゴリとしては「米国」に関する記事で、いわゆる債務上限を巡る問題やFRBの利上げを巡るニュースなど3件を数えました。

これまで最も多く一面に取り上げられている「防衛・紛争」に関しては、今月は25日に「米艦補修、日本の造船所で」というタイトルの1件のみでしたが、世界各地で様々な火種が燻ぶったままになっており、景況感にも暗い影を落としている現状はまだまだ改善されていないと思われます。

 

一面以外に注目したい記事は「貿易赤字」を巡る報道です。

12日の3面には「IT赤字拡大 縮む経常黒字」という見出しで、2022年度の経常収支の黒字幅が54%も減った状況を伝えています。

ちなみに経常収支は次の3要素を中心に構成されています。

【貿易収支】

モノの輸出と輸入の差額を示すもので、22年度の赤字幅は過去最大の18兆円強となりました。その大きな要因は、急激な円安と原油価格の上昇により輸入物価が増えたことによるものです。今後についても利上げの影響が出る米国や欧州に向けた輸出の減速が懸念されるところです(19日5面記事など)。

【所得収支】

外国との間でやりとりされる利子や配当の差額を示すもので、こちらの22年度は過去最大となる35兆5千億円の黒字でした。近年の所得収支は順調に増え続けているものの、急激な貿易赤字の拡大幅を押し返すまでには至りませんでした。

【サービス収支】

こちらも5兆円強の赤字で、とりわけ海外ITへの支払い超過が加速していると記事は伝えています。いわゆるインバウンド消費の増加もサービス収支の改善に貢献しますが、水際対策の緩和効果はまだまだ足りない状況の様です。

いずれにしても、これらの収支の最終値である経常収支が改善しないことには「海外への富の流出」が拡大するため、国債消化を含む国内金融の不安定要因に繋がりやすく、貿易収支やサービス収支を改善するための新たな付加価値の発掘が急務となっています。

 

**一面の集計は埼玉県内の配達(基本的に13版)記事を対象にしております。

文責:三星剛

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