最近読んだ本について

こんにちは。税理士法人PLUS-ONEの大川です。
先日、羽田空港内の蔦屋書店さんで本を買いました。
「羽田空港に蔦屋書店なんてありましたっけ」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。蔦屋書店は羽田空港第二ターミナルの国際線搭乗口エリアからさらに1階上がったところにあります。それほど大きいお店ではないため品揃えは多くありませんが、絵本はたくさん置かれている印象です。長旅でも子供が飽きないように買っていくのでしょうね。
今月紹介する本は、旅のお供に蔦屋書店で購入した作品です。
『現代語訳 学問のすすめ』 福沢諭吉 齋藤孝訳 ちくま新書
福沢諭吉というと、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言葉が有名です。人は生まれながらに平等であると説いています。しかし、「人は学ばなければ、智はない。智のないものは愚かな人である」として、実際の社会で生じる貧富や身分の差は、学問(知識や努力)の有無によるものだとしています。
つまり、差が存在する現実を認めつつ、その違いは生まれや天命によるものではなく、学問を学ぶか否かによって生じるということです。
また、ここでいう学問とは世の中での実用性のないものではなく、普通の生活で役に立つ学問(例として手紙の書き方や帳簿の付け方など)が実学であることも強調しています。
「難しい仕事と簡単な仕事というものがあり、難しい仕事をする人を地位の重い人と言い、簡単な仕事をする人を地位の軽い人という。およそ心を働かせてする仕事は難しく、手足を使う力仕事は簡単である。」
福沢諭吉は、身体を使う仕事と頭脳を使う仕事という分け方でなく、身体を使う仕事と心を使う仕事と分けています。私の職業(税理士)は、一般的には頭を使う仕事と言われますが、頭でなく心を使うという観点はなるほどそうあるべきだと納得し、共感できました。
税金について触れている箇所もあり、「気持ちよく払え」「およそ世の中に、何がうまい商売かといって、税金を払って政府の保護を買うほど安いものはない。」と説いています。確かに、ゴミを出せば処理してくれるし、泥棒や犯罪の心配をせずに暮らしていくことができる。明治初期の作品ですが、現代にも十分通じる内容だと思います。
【読書にあたって】
全230ページ。17編に分かれているので、ちょっとした合間に読むことができます。『学問のすすめ』は小学校で使う本として書かれたものなので、内容は簡単なものが多いですが、4編と5編は学者向けに書かれたものなので難しいです。飛ばしても大きな影響はないと思います。