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日経新聞一面11月分まとめ

今月の一面記事の分類のうち最も多かったのは前月に続いて「防衛・紛争」に関する記事の5件でしたが、その内容はロシアや中国など諸外国を巡る報道に代わり、17日の「防衛費増 法人税など財源」や29日の「首相「防衛費2%、27年度」」など、日本国内の防衛費や防衛予算を巡る記事に移ってきました。

その一方で、15日の一面は「米中、衝突回避へ対話継続」という見出しでおよそ3時間行われた米中首脳会談を伝え、18日には日中首脳会談の模様を「日中首脳「核戦争に反対」」とのタイトルで「議論が平行線に終わった可能性が高いものの、双方にとり譲れない一線を確かめることは危機管理上の意義がある」と新聞社としての見解を示しました。

ウクライナ侵攻に伴う物流の混乱や台湾有事を巡る危機感の高まりは、世界経済の大きなマイナス要因となっているため、関係国の首脳は「最悪の事態が起きないための折衝」を保っており、こうした綱渡りの状況は当面続くと考えるべきでしょう。

このようなデリケートな外交関係の状況下では、関係国リーダーの「名前」がコロコロ変わってしまうことは必ずしもプラスに働く保証が無いため、我が国の政治状況の変化が外交に与える影響はますます軽視できないことになるでしょう

11月の日曜日の一面はすべて「チャートは語る」の特集記事が続きました。

これは、今年4月6月8月に続く4回目の状況で、臨時ニュースが少なかった現象の現れと評価することもできるでしょうが、ある意味世界経済全体は「悪い状況で固定化しつつある」ようにも感じられます。今後、新たな有事に繋がるような事態が起きないことを祈るばかりです。

我が国の経済状況を伝える記事として、最近増加傾向に見られる内容は「日銀の政策に対するやや批判的なもの」です。例えば、11日の21面では「金利操作が生む 一物二価」との見出しでイールドカーブコントロール(YCC・長短金利操作)のひずみを指摘したり、15日の11面でも「日銀緩和、迫る量の限界」と題し、インフレ率が3%に達する状況で日銀のYCCは続かないと見た海外投資家が、金融機関から国債を借りてきて市場で売る「カラ売り」で利益を上げようとしている状況を伝えたうえで、異次元緩和が市場に与えるひずみを詳しく伝えました。来年4月に任期満了を迎える黒田総裁ですが、その政策に対する最終的な世論の評価は微妙な状況になりそうな流れが止まらないと思われます。

少し明るい話題として、24日の一面「デジタル円 3メガと実証」というものがありました。

来春に向けて中央銀行のデジタル通貨を民間銀行などと協力し、2年間ほどの実証実験を行う予定とのことです。諸外国に比べ、こうした分野の遅れが我が国の生産性の伸び悩みの大きな原因のひとつであると従来より指摘されており、IT技術のさらなる開発をきっかけに企業活動や国民生活に前向きな効果をもたらすことが期待されます。

**一面の集計は埼玉県内の配達(基本的に13版)記事を対象にしております。

文責:三星剛

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