【PLUS-ONEブログ】日経新聞6月まとめ
2022年6月の日本経済新聞朝刊一面記事まとめ
新聞には毎月必ず「新聞休刊日」があります。ですので、暦の日数から1を引いた数がその月の新聞発行日数になります。
先月の新聞発行日数は29で、そのうち一面の記事を飾る回数が最も多かった内容は「特集記事」でしたが、これはほぼ毎月変わらない傾向となっています。というのも、毎週日曜日の特集は「チャートは語る」で4回とほぼ固定されており、そのほかにも「国費解剖」や「グリーンバブル」といった特集など合わせて全部で8日分ありました。ちなみに日経新聞が今年に入ってから「特集記事」として連載しているものの数は短期のものを含めると15本を数えます。その日に一面を飾るような記事が見当たらない場合、これらの紙面構成は一種の緩衝材的な役割を果たしていると言えるでしょう。そういう意味では「比較的平穏な傾向があった月」には特集記事が一面を飾る回数も安定する傾向が見られます。
さて、それ以外の6月の一面記事の主な傾向は、世界的な資源高やインフレ拡大を中心とした「株・金融・為替」に関する記事が4回と最多を占めています。また、1日(水)には毎年閣議決定されるいわゆる骨太の方針が公表されたことや参院選挙も近いことなどから「政策・政治」に関するもの。加えて人への投資を促す内容を中心とした「雇用・労働」に関する記事もそれぞれ3回ずつを数えています。また、新型コロナウイルスなどの感染症に関する記事は5月22日を最後に一面に登場することはなく、感染状況がだいぶ沈静化してきたことの表れと考えて良いでしょう。
6月の一面で特に目を引いたものは、20日(月)の日経・日経センターの医療制度に関する提言記事でした。日経新聞社は医療業界に対し比較的辛口のスタンスを従来からとっており、様々な制度の不備があらわになったこれまでのコロナ対応に関しても厳しい意見を社説などで発信を続けてきました。20日の内容は「最終報告」と題し、導入が遅れているデジタル技術を生かして岩盤規制を改革することの重要性を指摘しています。
また、月の後半28日(火)には国債の日銀保有が5割を超えた事実を伝えたうえで、関連する他の面でも日銀の債務超過リスクに言及するなど、金融当局に対する忖度の度合いに変化が見られるようにも感じました。
この様に、新聞の一面記事に丹念に目を通したうえでその傾向をじっくり観察していくことで、世の中の変化に対する関心が高まり、仕事や生活の様々な場面で役立てることができるのではないかと考えています。
今、世の中で起きている事実に自分の仮説を重ねて将来を読み解いていくトレーニングは「VUCAの時代」に求められる大切な習慣であることは間違いないでしょう。
次回以降も「日経新聞朝刊記事一面まとめ」を通じて、読者の皆様にお役に立てる情報を提供し続けたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
文責:三星剛