年末調整(令和3年)
保険会社から控除証明書が届き、お客様の手元に税務署から年末調整の手引きが届くと、いよいよ年末調整だなぁと力が入る私です。
令和3年分の年末調整の手引きを見ると、まず表紙の挿絵がなくなったことに驚きました。毎年、4人家族に老夫婦、カップルが公園を歩いているものが掲載されていましたが、今年はそれに代わりQRコードが4つ。随分無機質なものとなってしまいました。
(1)年末調整って何?
ザックリお話いたしますと、皆様に支払われる給料から控除されている所得税は、その金額が仮に一年間続いた場合に計算される所得税を12で除しています。
しかし、給料は会社の業績や残業の多寡により変動しますので、年間を通じて同額をもらい続けるということはあまりありません。
そのため、年間給与が確定する“年末”に、所得税を計算し直して、正しい所得税に“調整”する必要があります。その作業が年末調整です。
(2)年末調整する人、しない人
【年末調整の手引き】をみると、年末調整の対象となる人、年末調整の対象とならない人というのが列挙されていますが、年末調整の対象にならない人の範囲が狭いので、こちらを覚えて、それ以外の人は年末調整の対象になるんだ、と考えた方が簡単です。
年末調整の対象とならない人は、
①給与収入が2000万円を超える人
②二カ所以上から給与の支払いを受けている人で、会社に扶養控除申告書(後述)を出していない人
③年の中途に退職した人
(3)年末調整しない人はどうなる?
年末調整の対象とならない人については、正しい所得税に調整されていないため、ご自身で確定申告をすることになります。言い換えると、年末調整によって正しい所得税が計算された方は、確定申告の必要がありません。
(4)年末調整はお金が戻ってくるもの?
これは非常に多い誤解です。現実的には還付されることが多いので、これを楽しみにしている方もいらっしゃるかと思います。
以下に該当する方については、還付ではなく逆に徴収されてしまう可能性もありますのでご注意ください。
①年の中途に扶養親族が減少した方
②給与をもらった際に所得税が控除されていない月があった方
(つづく)