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年末調整③(令和3年)

 今年も残すところ1週間となりました。
 もう1週間しかないと考えるか、まだ1週間もあると考えるか、考え方によってできることも変わってくるかなと思います。
これからも皆様にとってお役に立てる情報をお伝えできればと考えております。
今回も、前回に引き続き年末調整についてです。

〇年末調整時に配布される用紙(その2)
 右上に○基・配・所と書かれている用紙についてです。
 正式名称は、給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書といいます。
 「兼」という文字が示すとおり、この用紙で3枚の申告書を兼ねていることになります。

★給与所得者の基礎控除申告書
 基礎控除を適用するために提出する必要があります。
 基礎控除とは、所得者の合計所得金額が2,500万円以下である場合に、その所得者本人の所得金額から48万円を限度として、所得者の合計所得金額に応じた金額を控除するというものです。令和元年以前は、合計所得金額の制限がなく、どなたでも基礎控除が受けられたため、このような申告書は不要でした。言い換えれば、この申告書が提出されていないと、基礎控除すら受けることができないということになりますので、年末調整を行う場合は、必ず提出しましょう。

★配偶者控除等申告書
 配偶者控除または配偶者特別控除適用するために提出する必要があります。
 配偶者控除とは合計所得金額が1,000万円以下の所得者が控除対象配偶者を有する場合に、その所得者本人の所得金額の合計額から38万円(配偶者が老人控除配偶者の場合は48万円)を限度として、所得者の合計所得金額に応じた金額を控除するものです。
 配偶者特別控除とは合計所得金額が1000万円以下の所得者が生計を一にする配偶者(合計所得金額が133万円以下の場合に限る)で控除対象配偶者に該当しない人を有する場合に、その所得者本人の所得金額の合計額から38万円を限度として所得者の合計所得金額と配偶者の合計所得金額に応じた金額を控除するものです。

 多少意味は変わってしまいますが、分かりやすくすると
 給与収入で1,210万円以下のサラリーマンが、給与収入で201.6万円以下の奥さんを有する場合は、38万円を限度としてサラリーマンの所得金額から控除できます。

 注意点は以下のとおりです。
 ・事業をされている場合の青色事業専従者等は含みません。
 ・他の方(例えば子供)の扶養親族となっている場合は適用ありません。
 ・配偶者が死別した場合は、年末でなくその死亡時点での判定となります。また、その年にさらに再婚した場合については、死亡した配偶者か再婚した配偶者のいずれか1人に限るものとします。

★所得金額調整控除申告書
 所得金額調整控除の適用を受けるために提出する必要があります。
 所得金額調整控除とは、所得者(その年中の給与の収入金額が850万円を超える人に限ります)が①本人が特別障害者②同一生計配偶者が特別障害者③扶養親族が特別障害者④扶養親族が23歳未満 のいずれかに該当するときに、その所得者本人の給与所得の金額から15万円を限度として一定額を控除するものです。

 給与が850万円以下の人には関係のない申告書です。
 注意点は④に該当する場合です。ここでは扶養親族という言葉を使っています。扶養親族とは、所得者と生計を一にする親族で合計所得金額が48万円以下の人をいいます。つまり、23歳未満の扶養親族がいれば、所得者本人が扶養控除を受けていなくても、適用することができます。
 具体的な例では、夫婦でそれぞれ850万円以上の給与収入がある場合で、扶養控除については、夫または妻の一方でしか適用することが出来ませんが、所得金額調整控除については、夫婦それぞれで適用できることとなります。
 扶養控除を受けない妻側の扶養控除等申告書には、子供の名前が記載されていないケースが多いので、適用漏れがないように気を付けましょう。

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