2023年6月の日本経済新聞朝刊一面記事まとめ
6月のカテゴリで最も多くを集めた項目は「政策政治」の4つでした。
4日はいわゆる「骨太の方針」を受けて、政府方針の原案を伝える記事が一面を飾り、14日には少子化対策の基本方針として「若者の所得を伸ばす」という見出しで政府方針を伝え、17日は日銀が大規模緩和を維持するとした金融政策決定会合の内容を伝えるもので、22日には岸田文雄首相の記者会見として「構造的賃上げを実現する」とする内容を報じました。通年、この分野の記事が増える要因は、例えば国政選挙が行われる時期や今年開催された広島サミットのような国際会議が開催された場合などに集中しますが、「特に何もない」今月にこのカテゴリが多くなることは珍しく、見方によっては大きなインパクトを伝える内容に乏しい月だったのではないかとも考えられます。
そのほかに目を引いた記事としては3日の「出生率1.26、経済活力に危機」と題して、2022年の我が国の合計特殊出生率が過去最低を更新した内容を伝えています。
供給面から見た経済成長は、次の3要素の「持続的な増加」により実現するとされています。
- 労働力(量) 2.物的資本及び人的資本 3.技術力
人口減少は上記1の減少に直結するため他の成長要素を増加させなければ経済成長は期待できないことになりますが、物的資本(設備投資)はともかく、人的資本(能力向上による生産性の向上など)や技術力に関する劇的な改善はハードルが高いとも考えられるでしょう。
【今年前半を振り返って】
2023年の一面記事をまとめると、次のような傾向が見られます。
- 感染症を伝える記事が激減
昨年の前半時点では累計12回(年間では14回)でしたが、今年の前半累計は2回のみです。
これは経済活動を考える上ではとても良い傾向と考えられます。
難しいのは消費者を中心とした行動変容や働き方の見直しを強制的に迫られた変化などが今後どのような経済的影響を与えていくことになるのか注視が必要でしょう。
- 政策政治に関する記事が3倍に
先にも書きましたが、昨年前半5回だったものが今年は15回を数えるまで増えています。
3.防衛紛争に関しては半減
ロシアによるウクライナ侵攻はいまだ出口の見えない状況が続きますが、これらを含めて昨年前半には累計43回(年間では68回)だったのに対し、今年は20回に半減しました。
私見ですが、この傾向はこのカテゴリそのものが減少したとみるよりも事案の膠着状態が紙面のニュース性を削いでいるためと見たほうが正しいと感じます。
**一面の集計は埼玉県内の配達(基本的に13版)記事を対象にしております。
文責:三星剛