2025年9月の日本経済新聞朝刊一面記事まとめ

今月の一面で最も多くの回数を数えたカテゴリは、【政策政治】の6回になりました。
8日の「石破首相 退陣へ」をはじめに、その多くは自由民主党の総裁選挙を巡る話題でした。結局5名の総裁候補が出馬しましたが、これと言った注目を集めるリーダーの存在には乏しい印象で国政選挙のニュースとは異なるものの、一面を飾った回数に比べ各候補者の政策も話題性に欠ける内容だったように感じます。
【政策政治】の一面登場回数がトップになったのは7月の参議院選挙以来で、大概は選挙が行われる時節に回数が増える傾向にあります。
これから先、再び国政選挙が行われるかどうかは不明ですが、国内政治の安定は経済政策を定める上でも極めて重要な要素であることから、そういう観点での新政権に対する期待は少なくないと思われます。
一面以外で米国を中心とした話題をいくつか取り上げてみたいと思います。
まず、3日の9面「金が最高値 ドル信認低下」という見出しより、NW先物の金価格が最高値を更新したと報じています。
その要因として、FRBの金融政策と通貨ドルへの信認が再び低下している事の二つを挙げています。トランプ氏がFRBの人事に介入し、その独立性に疑念が生じてきたことや基軸通貨としてのドルの陰りが金の購入を促している見方も強まっている。と報じています。
「有事の金」と呼ばれる通り、安全資産としての金の購入が促進される世情の裏には政治的不安定の現状が見て取れます。
その関連で、19日の3面には「「追加利下げ」FRB分裂」という過激な見出しの記事が紹介されました。17日に利下げを再開したFRBでしたが、利下げ後の政策金利は4.0~4.25%にとどまっており、(景気を熱しも冷ましもしないといわれる)中立金利が3%程度と考えられていることから、さらなる利下げを要求する外圧がFRBに押し寄せており、先のトランプ氏の圧力と相まってFRB内部でも意見の対立が続いているとしています。
さらに、17日に利下げが行われたその少し前の15日3面には「米利下げ迷わすデータ」という記事がありました。その中で米国の重要な経済指標である雇用状況が失速してきた状況がある一方で、インフレ率が(望ましいとされる)2%を超えたまま落ち着かないことなどを掲げ経済データの解釈を誤ることに伴う米景気の失速リスクを招くことの懸念が取り上げられています。我が国中央銀行(日本銀行)の記事は20日一面に「ETF売却決定」の話題が出ましたが、コロナ禍が明けてからの金融市場を中心とする各国中央銀行の政策判断は、いまだに難しい環境下にあるようで、政治的圧力とのバランスとも相まってしばらくは先行きが見通しにくい状況が続くと考えられます。
**一面の集計は埼玉県内の配達(基本的に13版)記事を対象にしております。
文責:三星剛