2025年7月の日本経済新聞朝刊一面記事まとめ

今月の一面で最も多くの回数を数えたカテゴリは予想どおり【政策・政治】の7回でした。
20日に行われた参院選の事前情勢や選挙結果を受けた内容が中心となりましたが、初めの頃(5日)の見出しは「自公、過半数うかがう」であったものが、投票日が近づいた頃(16日)には「自公大幅減、過半数は微妙」に変化し、投票日翌日(21日)には「自公 大幅減の公算」という結果になりました。
【政策・政治】のカテゴリが1位になったのは、昨年11月の衆院選時の11回以来の出来事でした。やはり選挙が行われた月は一面を飾ることが多くなりがちな傾向にあります。
参院選の結果を受けた現在は政情不安定な状態にあるため、これから先も政治状況を巡るカテゴリが多くの回数を重ねる状況はしばらく続くかもしれません。
二番目のカウントは【個別企業】の5回でしたが、そのうちの3回は日産自動車に関する話題でした。ご存じのとおり同社はホンダとの経営統合が破談になって以来、不振を伝える状況が続いていましたが7日の「日産、鴻海とEV生産協議」や12日の「日産、米でホンダ車生産」などやや明るい状況に戻りつつあることを報じています。
それ以外で興味を引いた一面は27日の「チャートは語る」での「デフレ脱却、既に3年目?」という見出しでした。いわゆる受給ギャップについて、内閣府の推計では需要不足だが民間推計では大幅な供給不足となる。と分析しています。
この分析結果は景気や物価を巡る政策の判断に大きな影響を及ぼすことから、それが真逆の結果となっているということは無視できない問題であり、これ以外の統計分析分野においても検証が必要なのではないかと感じます。
一面以外の注目記事として、11日の5面「暑すぎる夏、手取り圧迫」を挙げておきます。
この記事のリード文は「全国で続く猛烈な暑さによる労働生産性への影響が無視できなくなってきた。」と表現しています。とりわけ、屋外での作業となる建設業の影響が顕著なうえ、消費鈍化のリスクが高まることも報じています。高齢化社会ではなおさら外出控えが起きやすくなることも想定されるでしょうが、この傾向は今年に留まらず来年以降も続くような予感がします。
27日の統計データに関連する記事として、8日5面の囲みでは5月の実質賃金が前年同月比で2.9%減ったことについて、「調査対象企業の入れ替えが影響したとみられる。」と分析しています。いずれにせよ、統計公表数値の信頼性が担保されるためにも関係当局の丁寧な説明と分析が求められましょう。
**一面の集計は埼玉県内の配達(基本的に13版)記事を対象にしております。
文責:三星剛