2024年8月の日本経済新聞朝刊一面記事まとめ
今月は広い分野で一面を飾る出来事が続きました。代表的な記事としては
1日 「日銀、0.25%に利上げ」
3日 「日経平均下げ幅 歴代2位」
6日 「日経平均4451安」
9日 「南海トラフ巨大地震注意」
20日 「セブン&アイに買収提案」
24日 「米金融政策 転換点に」
などが挙げられましょう。
なかでも、1日と6日の一面は2月23日の「日経平均 最高値」以来の横書きの大きな文字での伝え方をしており、金融政策や金融情勢を巡る大きな動きが目立ちました。
また、9日には宮崎県を震源とする大規模地震の発生を受けて気象庁が初の「巨大地震注意」を発表するなど、災害を原因とする社会情勢の不安心理も一部では広がりを見せた模様です。
こうした状況も相まって「コメの買い占め行動」も起きている様子で例年以上に店頭でのコメ不足の状況が各地で見られましたし、金地金の価格高騰も続きました。
6日の一面は、前日の日経平均株価が「ブラックマンデーの下げ幅を超える」事実を伝えており、株式市場にも潜在的な不安心理が広がっている様子が伺えます。
これらに共通する【不安心理】は、金融の世界だけでなく国民生活にも広く存在するものと考えられ、国内景気の浮揚には大きなマイナス要因として働くことになりますし、今後も近隣諸国で頻発するであろう国境近辺での不穏な動きについても、【不安心理】を揺り動かす引き金になる可能性があります。
また、国内政治も混沌とした状況が当面の間続きそうな見通しであることから、しばらくの間は、国際的な金融情勢・政治情勢・国内災害などにとりわけ注意を払う必要が今まで以上に高まっていると考えられます。
一面以外の注目記事としては、9日の8面『「あきらめ倒産」最高の9割』と題する記事を取り上げたいと思います。2024年上半期に私的整理や民事再生手続きを経ず破産に至った割合は約9割に達し過去最高を更新したというものです。物価高や人手不足で事業再生を断念するという事情だけでなく、事業者がいわゆるゼロゼロ融資の返済不能に陥ったとしても、金融機関側は特例として保証協会から100%の代位弁済を受けられる事情があるなどの背景も「事業再生の動機づけ」を弱めているという複合要因を伝えています。
**一面の集計は埼玉県内の配達(基本的に13版)記事を対象にしております。
文責:三星剛