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渇水と貯水

こんにちは。税理士法人PLUS-ONEの大川です。

今月も先月に引き続き、読書から離れて天気にちなんだ話です。

今月取り上げるテーマは「渇水と貯水」。

 

私が小学生の頃、「荒川の水がピンチ!」という赤紙が学校の至る所に掲示され、プールの授業が中止になったことが残念だった記憶があります。

また、私が高校三年生で「夏を制する者は受験を制す」と言われた平成6年も猛暑による渇水があり取水制限が行われました。ただ、おそらく皆さまにはこの記憶は薄く、翌年の冷夏によるタイ米騒動の方を覚えていらっしゃるのではないでしょうか。

 

渇水が起こる原因として、以下のようなものが挙げられます。

  • 季節に応じた雨や雪が降らない
  • 雨はすぐに海に流れてしまう
  • ダムは簡単に造れない
  • 人が集まりたくさんの水を使う   (以上、国土交通省関東地方整備局HPより)

 

日本で雨が降る時期は、梅雨期の6月と台風シーズンの9~10月で、この時期に一年間の降水量の約4割が降ると言われています。そのため、空梅雨だったり台風が少なかったりすると水不足の可能性が高まります。

また、雪も重要な資源です。暖冬で雪が少ないと水不足の原因となります。

特にこの冬場の渇水というのは深刻です。夏場の渇水は、台風一過で一気に解消することができますが、冬場はそういかず長期化することがあります。

 

先日、職場近くの駅周辺が水没するくらいの豪雨がありました。それ以外でもこまめに夕立がありますので、渇水のイメージがなかなかつきにくいのですが、都市部に降った雨はダムに貯まりません。山地に降った雨でも、日本の河川は勾配が急で長さも短いため、川の流れが速く、水が短時間で海に達してしまいます。日本で安定的な水資源を確保するというのは難しいことなのです。

 

ところで、皆さんはダムの貯水率を気にされたことはありますか。利根川水系9ダムの令和6年8月の貯水率は約80%で、例年よりは多くなっています。残りの20%は台風が来た時のために・・・、と考えていた方は正解です。

 

プチ雑学をご紹介します。

ダムの貯水率は、当日の貯水量÷有効容量で計算されますが、利根川水系では洪水期(7~9月)と非洪水期(10~6月)で有効容量の定義を変えています。

洪水期は36,849万㎥、非洪水期では55,163万㎥といった感じです。

そのため、同じ貯水量35,500万㎥でも6月30日には貯水率64.4%と発表されますが、7月1日になると96.3%と発表されます。

 

蛇口をひねると安全な水が出てくる水道、駅や公園などで清潔なトイレが利用でき、衛生的な水を利用できる環境が整っている日本では、「水を大切にする」という意識が薄まりやすいです。ですが、いざ災害が起きると、まず確保しなければならないのは水です。この意識を常に持っておくために、日々ダムの貯水率を確認している私です。

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