一人親方のインボイスと生活に必要な売上高
税理士法人PLUS-ONEの清水です。
今回は一人親方のインボイスと生活に必要な売上高について解説していきます。
よくご質問をいただく下記のような前提で考えていきます。
〇前提
25歳 一人暮らし インボイス登録事業者 埼玉土建
手取りで30万円程度はほしいと考えている。
売上が月50万円程度確保できそうだが大丈夫だろうか?
〇結論
毎月の経費が10万円程度であればインボイス登録をしても可能。
毎月の経費が15万円程度かかるようだと手取り30万円は厳しい。
〇インボイス(消費税)について
月額50万円の売上の場合、2割特例を適用できる令和8年分までは月約1万円程度の消費税負担となります。
令和9年分から2割特例が使えなくなりますが、簡易課税制度を適用する場合には
月約2万円程度の消費税負担となります。
〇社会保険等を考慮した手取り額の計算
①売上が月50万円、経費が月10万円のケース(インボイス2割特例)
売上年間 600万円
経費年間 △120万円
消費税 △12万円
土建国保 △20万円
国民年金 △20万円
所得税 △35万円
手取り額 390万円(月32.5万円)
②売上が月50万円、経費が月15万円のケース(インボイス2割特例)
売上年間 600万円
経費年間 △180万円
消費税 △12万円
土建国保 △20万円
国民年金 △20万円
所得税 △24万円
手取り額 340万円(月28.3万円)
③売上が月60万円、経費が月15万円のケース(簡易課税制度)
売上年間 720万円
経費年間 △180万円
消費税 △26万円
土建国保 △20万円
国民年金 △20万円
所得税 △45万円
手取り額 430万円(月35.8万円)
〇節税の検討
年間手取りが約350万円を超えた部分については所得税率が10%から20%に引き上がります。
上記の例だと③の月の売上が60万円程度になると税負担が少し重くなります。
年間の「売上-経費」が500万円以上見込めるのであれば例えば車両の購入などを検討する時期なのかもしれません。
また、青色申告をすることで年間10万円または65万円(一部55万円)の特別控除を
受けることができるため、青色申告をしていない方は申請をするべきでしょう。
65万円控除を受けるためには簿記を使った帳簿作成と電子申告が必要となるため、
自力で確定申告をされる方のほとんどは10万円の控除となります。
弊社では上記のようなお客様の記帳代行・申告代行を月1万円~承っています。
65万円控除の要件を取りに行くため、税負担が20%ゾーンであれば税理士さんに頼むことをオススメします。
何かお困りのことがありましたらお気軽に事務所までご連絡ください。