認知症と相続準備
㈱PLUS-ONEサービスの西川です。
今回は認知症と相続準備についてです。
高齢者や判断能力が十分でない方の財産などを守る制度として「成年後見制度」と「家族信託」が挙げられます。
〇「成年後見制度」
認知症の方、知的障害、精神障害のある方など判断能力が十分でない方の財産管理や身上監護を後見人が行う制度です。当事者の状況によって「法定後見制度」と「任意後見制度」に分かれます。
・「法定後見制度」
すでに判断能力が失われているか不十分な状態で、後見人を自分で選ぶことができない場合に利用されます。後見人は家庭裁判所が選任します。
・「任意後見制度」
まだ本人に判断能力があり、本人が後見人を選び、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度です。家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、その監督のもと、後見人は保護・支援をします。
成年後見制度の利用者は年々増加傾向にあります(成年後見制度の現状 厚生労働省令和5年5月抜粋)が家庭裁判所を通さなければならないことや手間がかかることなど課題も多いことが現状です。
〇家族信託
自身の資産を家族に託して管理、処分をしてもらう仕組みです。
本人の判断能力が失われているか不十分な状態でも本人に対しての意思確認の手続き
がないので資産が凍結することなく財産管理を託した家族の考えで財産を管理、処分
することが可能になります。
また、柔軟に資産を承継することができ裁判所を通す必要もありません。
費用面でいうと成年後見制度は被後見人が亡くなるか判断能力が十分な状態まで回復するまでやめることができません。したがって前述のときまで成年後見人、成年後見監督人に報酬を支払い続ける必要があります。さらに申立手続きのコストなどもかかってきます。
一方、家族信託は専門家に信託契約書の作成サポートなどの費用がかかってくるものの基本的にランニングコストはかかりません。
どちらご良いかという判断が難しい場合は、弊社で各制度に精通している法律家をご紹介できますので是非ご相談ください。