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1月末期限の会社事務②

 一月も終わりを迎え、国税局のコールセンターでも確定申告の問い合わせが始まりました。また、AI時代の到来を感じさせるものとして、「税務相談チャットボット」というものも国税庁HPに導入されました。チャットボットは、チャットとロボットを合成させた言葉で、人工知能をもった自動会話プログラムです。この機能だけでは実際に確定申告書を作って提出することはできませんが、あらかじめ設定された一般的な質問(確定申告に関する必要書類や確定申告の要不要など)は回答することができます。確定申告をする人が1000万人を超えている現状、AIに置き換わるものはどんどん置き換わっていきますね。

さて、前回からの続きで会社事務として1月31日までに提出しなければならない書類が3つありますが、今回は最後の1つをご紹介させていただきます。

○法定調書合計表
法定調書とは、「所得税法」「相続税法」「租税特別措置法」及び「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により税務署に提出が義務付けられている資料をいいます。 (国税庁HPより)

そこで、所得税法を例にとってみますと、
次の各号に掲げる者は、財務省令で定めるところにより、当該各号に規定する支払に関する調書を、その支払の確定した日の属する年の翌年1月31日までに税務署長に提出しなければならない。(所得税法第225条)

つまり何かを支払ったら、その税法に規定する(法定)支払調書を作成して、税務署長に提出しなければなりません。そして、その支払調書を集計した合計表というものも作成し、合わせて提出することになります。
その法定調書の種類は約60種類あり、会社の経理として提出するものは以下のものがメインとなります。

①給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)
②退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
③報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書
④不動産の使用料等の支払調書
⑤不動産等の譲受けの対価の支払調書
⑥不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
⑦配当、剰余金の分配、金銭の分配及び貴金利息の支払調書

死亡退職により退職手当等を支払った場合は、相続税法の規定による「退職手当金等受給者別支払調書」を提出することになりますので、②は不要となります。

また、会社は作成提出を行ないませんが、「公的年金等の源泉徴収票」や「特定口座年間取引報告書」など確定申告でお馴染みの書類も法定調書に該当します。

この法定調書作成の上で注意する点は以下のとおりです。
・支払金額は原則税込で記載します。消費税等の額が明確に区分されている場合には、その額を含めないで記載しても差し支えありませんが、その場合には摘要欄に消費税等の額を記載することになります。
・法定調書の種類によって提出対象となる人や金額の下限が異なります。
・作成日現在で未払の金額がある場合でも、その年中に支払の確定した金額を記載することとなります。(未払の金額を含める)
・源泉税の金額を記載する法定調書について、作成日現在で未払のものがあるときは未払となっている金額を内書きする必要があります。

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