ブログ更新【最近読んだ本について】
こんにちは。税理士法人PLUS-ONEの大川です。
今月は古典の紹介をしたいと思います。
今年は「古典を読む」を目標の1つとしています。今年48歳になり、働く仲間も若年化が進んできました。そういった中で若い相手に物事を伝えようとした時、自分の経験や思考は浸透しづらいと思っています。大学時代に一生懸命板書をノートに書き写し、欠席した授業は友人にノートを借りてコピーしていた私と、スマホでパシャっと撮影してlineグループに共有する今の学生さんとで、大学の思い出を語ろうとしても伝わらないわけです。
それでも年配という立場で相手に物事を伝えたいと思った時に意識することは、①道徳的なこと(困っている人がいたら助ける)②原理原則的なこと(顧客のニーズを最優先にする)の二つです。この二つの要素を満たすものが古典ではないかと考えたからです。
今月紹介する本は、
『最高の戦略教科書 孫子』 守屋淳著 日本経済新聞社
1部 『孫子』はそもそも何を問題とし、何を解決しようとしたのか
2部 『孫子』の教えをいかに活用するか
『孫子』は今から約2500年前に書かれた古典にもかかわらず、ソフトバンクの創業者・孫正義氏やマイクロソフトの創業者・ビルゲイツをはじめ、多くの経営者に影響を与えているそうです。なぜ経営者に愛読されるのか、それは経営をやり直しのきかない一発勝負であると考えているからではないでしょうか。最近のビジネス書の多くは、「失敗は成功の基」「早く失敗して早く学べ」と書かれてあります。しかし、『孫子』が書かれたのは、紀元前500年の中国春秋時代、分かりやすく言うと『キングダム』です。(本当は少し異なります)
そのような時代の失敗は、命を落とすか国が亡くなるかに繋がります。また、戦いに勝っても疲弊している状態なら、第三国に攻め込まれ漁夫の利を与えてしまいます。この時代に求められたことは「勝ち続ける」「負けない」ことです。
1部(第1章~第11章)は、『孫子』に記載されている文言の解説、2部(第12章~第20章)は、戦略(考え方)を現代にどう応用するかを著者の意見を交え解説しています。1部は歴史書、2部はビジネス書という分類でよいかと思います。
私は歴史書(『三国志演義』『項羽と劉邦』)が好きなので、1部は面白いなと思いながら読みましたが、2部はなるほどと感心しながら読みました。お勧めは第14章「試行錯誤ばかりしていたら心が折れそうなんですけど」、第19章「追いつめる以外の勢いの出し方はないのか」です。
【読書にあたって】
全384ページ。個人的に著者のファンなので守屋先生の書籍を紹介しましたが、本屋さんに行けば、様々な方が『孫子』について本を出版されていらっしゃいます。自分が読みやすいと思った『孫子』を手に取っていただければ幸いです。
今は本屋さんに行かず、スマホでポチッですって。
どうやらあなたとは分かり合えないようですね。