ブログ更新【賃上げ税制(マニアック編)】
税理士法人PLUS-ONEの清水です。
前回は中小企業版の賃上げ税制をご紹介しました。
今回ご紹介するのはいわゆる「大企業版」賃上げ税制の紹介です。
大企業版であればほとんどの方は関係ないと思いますが、実は一部の中小企業で適用があるのです。
◎中小企業版賃上げ税制おさらい
・P/L(損益計算書)の人件費が前期比1.5%増で適用あり。
・人件費が前期比2.5%増、教育訓練費が前期比10%増で上乗せ措置あり。
◎「大企業版」賃上げ税制の要件
・「継続雇用者給与等支給額」が前期比3%増で適用あり。
・「継続雇用者給与等支給額」が前期比4%増、教育訓練費が前期比10%増で上乗せ措置あり。
◎「継続雇用者給与等支給額」ってなに?
決算時に2年以上勤めている従業員さんの給与と覚えておけば良いです。
◎例題
P/L(損益計算書)の人件費が前期200、当期200
人件費総額が増加していないため、中小企業版賃上げ税制の適用なし
しかし、内訳を確認したところ、
①Aさん 前期100 当期150
②Bさん 前期100 当期50
であることがわかりました。
Bさんが退職し、Aさんに賞与を支給したケースなどが該当しそうですね。
◎「大企業版」賃上げ税制あてはめ
・2年以上勤めている従業員さんの給与が前期比3%増
→今回のケースではAさんの給与が100から150になっているため、
大企業版賃上げ税制の要件に当てはまることとなります。
また、前期比4%増でもあるため上乗せ措置もあります。
◎「大企業版」賃上げ税制の恩恵
要件1 前期比3%の賃上げ →15%の税額控除
要件2 前期比4%の賃上げ →10%の税額控除上乗せ
要件3 教育訓練費が前期比で20%増加 → 5%の税額控除上乗せ
今回は見落としがちな賃上げ税制(マニアック編)をご紹介しました。
人件費の総額が減少していても、既存の従業員さんの定期昇給などで賃上げがされていれば税額控除を受けられる可能性がありますので、ご注意ください。
何かご不明な点や気になることがありましたらお気軽にご連絡ください。