ブログ更新【2025年2月の日本経済新聞朝刊一面記事まとめ】
今月の一面は、全体に大きな偏りが少なく「米国」「自動車」「景況感」のカテゴリでそれぞれ3回を数えました。
中身を概観してみると、「米国」は前月に引き続いてトランプ新大統領の関税発動を巡る記事が並び、「自動車」については主にホンダと日産の統合破談に関するもの、「景況感」は上場企業の増益を中心とした好景気を伝える内容となっており、前者2つが景気にマイナスを与える恐れのあるネガティブな内容に対し、後者は景気にポジティブな事実を伝えるものでした。
今月の大きな特徴として、一面にネガティブなニュースが続くことを打ち消すためにポジティブなニュースでバランスを取ろうとする新聞社の意図が垣間見えたような印象が残りました。こうした傾向は従来から見て取れたものではありますが、特に今月は顕著にそれが表れているように感じます。
そのほかに気になる一面の記事として、まず21日の特集記事「日経エコノミクスパネル」が昨年11月29日以来2回目一面登場となりました。この特集記事は経済学者に政策の評価を問う内容となっており、今回取り上げた素材は「高校無償化私立懸念」と題し、自公維が目指している私立高校向けの支援額引き上げについて70%の学者が反対しているという分析を載せています。しかしこの政策に関しては後の26日の一面で無償化を含む予算修正で合意した事実を伝えているため、新聞社としての政策提言は実現しなかった結果となりました。
また、埼玉県八潮市で1月下旬に起きた道路陥没事故の後、各地で同種の事故が頻発していることを受けて19日の一面は「下水管、耐用年数超え380キロ」と題し下水道管の老朽化にと併せて、財源や対応できる職員の不足も伝えています。
こうした「インフラ」に分類されるカテゴリは地味な内容が中心となるため、昨年も僅か一回に留まりましたが、今後は少しずつ増えていくことも予想されます。
最後に、毎年この時期恒例の「人口」に関する28日の一面記事です。
見出しは「出生数最少72万人」となっており、昨年日本で生まれた外国人を含む出生数が5%減のおよそ72万であったとする厚生労働省の公表を伝えました。
同日の5面ではこれに関する詳細を載せており、未婚化・晩婚化の増加が政府の想定する人口減少のペースを上回っていると分析し、記事の最後では「少子化を前提とした社会の仕組みづくりが急がれる」とする意見も載せるなど、この問題は少子化「対策」ではなく少子化前提の視点に立った少子化「対応」のステージに移ったと考えるべきでしょう。
**一面の集計は埼玉県内の配達(基本的に13版)記事を対象にしております。
文責:三星剛